国内製品 海外製品 コスト推移の背景と現実 前編/作業服屋の3代目の考察

Last Updated on 2020年1月24日 by himurakami0050

国内製品 海外製品 コスト推移の背景と現実 前編/作業服屋の3代目の考察

今回はおさらい&お勉強タイムです。(自分の為にも( ´∀` ))
結論から言いますと、国内製品、海外製品、どんどん値上がりしてます。日本って今、割とピンチです。。

うまく書けるか分かりませんが、個人的見解も加えつつ、とりあえず書いていきましょう。中編後編はそれぞれクリックしてください。

日本の特技は加工技術

日本の特技は加工技術でした。
海外製品。日本は資源が少ないですから、近代以降、加工屋さんとしてやりくり&急成長してきましたよね。

海外から
①原材料買って
②加工して
③製品化して販売(国内外に)

①→③は全然値段違います。皆さん分かると思いますが。
②の技術力とそれにかかるコストで③が決まりますよね。勿論利益も含めて

日本製 海外製 でコストへの影響とは?

①原材料編

例えば、綿単価のチャートがありましたのでこちら↓

1980年代はおいといて、直近だと2011年凄いですよね。。
この頃、綿製品の単価もガスッ!!っと上がりました。
ほぼ全メーカー上がりましたね。これはもう無理です。。と。

国内製でも海外製でも原材料が高くなったら、一緒ですよね。高くなります。

2017、2018年も高め水準ですよね。2019何はまだそこそこですが。

値下がりしないの?と感じる方もいらっしゃると思いますが、稀に値下がりするケースもあります。
でも出来ない場合が多いんです。
メーカーが儲けたかったから?違うんですね~。100%ないとは言いきれませんが。。( ´∀` )

他の要因がまた出てきます。

②為替編

円/ドルの為替のチャートです↓

リーマンショック後からなんで大分上がって見えますよね。
2015年凄いでしょ。。
この時は綿製品に関わらず全メーカー、全商品、ガスッ!!っと値上がりしました。
これも、もう無理です。。と。

感じた方も多いと思います、スーパーの商品も上がりましたしね。

原材料単価、為替、輸送費、もろもろあって値段は決まりますよね。

1番の問題は人件費

で、最近の一番の問題が、人件費です。ワークウェアの業界にもこれは共通してます。

なぜ??
ほとんどの製品は海外生産だからですね。

国内で縫製してる業者さんはほんと少ないです。僕が知ってるのは岡山にいくつか残ってる、くらいですね。弊社提携してる工場も岡山にあります。

昔から有名ですよね。倉敷。デニムとかも有名です。前職のアパレル時代も岡山メイドは一つのブランドでした。

後は、今治タオルなんかも今治で作ってますよね、確か。四国の愛媛県です。品質は勿論、ブランディングも成功してますよね。とても上質なタオルです。

Q,繊維業界の国内生産品はなぜ減っていったのか?

ちょうど良い記事ありました↓

日本で流通する服の国産比率は、どのくらいだと思いますか?たったの3%です。

2017年の速報値では、2.4%とも言われていて、「メイド・イン・ジャパンの服」は今や絶滅危惧種になっています。
このパーセントをより具体的な数字に置き換えると、工場の数でも分かるでしょう。
1990年には日本国内に500軒あった縫製工場が、今や50を切っています。
10分の1になったわけです。
これは工場長や経営者がサボっていたわけでは決してなくて、むしろ利益を出すために、世界に出て行った結果なんです。
より安く、よりたくさん作れる工場を、韓国、台湾……とアジアへ意気込んで行ったわけです。
たくさん利益を出そうとみんな海外へ行ったのだけれど、結果は、ただ技術を盗まれて、生産の空洞化が加速してしまった。

HITOYOSHI吉國社長はなぜファクトリエと組んだのか(前編)から引用

だから海外の人件費が安い国で作る流れになりました。利益も欲しい&売れるためには安くないと。じゃあ海外で。みたいに。

『技術を盗まれて、生産の空洞化が加速してしまった』

これ、とても大事なキーワードです。

Q.ワークウェアはどこの国に??

アパレルと共に、ワークウェア、オフィスウェアの主は中国です。最近では、中国でした。の方が適切でしょうか。

人件費安い!(作業費安)
人手多い!(大ロット、短納期可能)
距離近い!(輸送コスト安)

牛丼屋さんの様ですが、( ´∀` )これらの要因で中国製品が多かったです。
これが最近では中国、人件費、日本と変わらないor日本のが安い??くらいになってきてます。。

Q.なぜ??
A.海外からの仕事受けるなら、IT系の仕事の方が儲かる。からなんです。縫製の仕事、人気なくなってきてます。。

Q.人気なくなってきたらどうなるのか?
A.時給上げないと人が集まらない。

になるんですね。よって高くなる、日本と同じくらい、むしろ最近日本は人件費安い国になりつつあります。(先進国なのに。。これが最近の問題ですね、格差社会といわれる所以でもあります)

『技術を盗まれて』の結果、自前で出来る様になってしまったんですね。。。

ラーメン屋さんで修行中の若手が、自分で出来る様になったから独立します!その後こっちの店の方が繁盛する。みたいな感じですね。

縫製の仕事、外注で受けるくらいなら、自社で企画、販売、ブランディングして直接やった方が儲かるやん。って事です。

ここからの日本はいたちごっこです。安い国みつけて、工場作って、高くなってきたらまた、安い国探して、、、and more

今はバングラディッシュとかカンボジア、弊社もインド、ユニクロさんはなんと公表してましたこちら
アシックスさんも生産の約4割をベトナムで手掛けてて、インドネシア、中国にも拠点を持ってます。

大体アジア系ですよね。
中国も多いやん?と思う方いますよね。他の国より技術力が高いからですね。
難しいのは中国、簡単なのは安い国で。みたいな感じです。
ファッションアパレル系の価格帯が高めの国内ブランドなんかは中国製品多いですよ。
最近買った良い服の品質表示見てみてください、made in china多いと思います。

大体皆さんアジアで生産して日本や欧米で販売するビジネスモデルで成長してますね。

生産の空洞化が加速してしまった

個人的にもこれが一番のクリティカルポイントだと思ってます。

ここからまた長くなりそうなので前編はここまでに。

続きは中編、後編にて。

でわでわまたまた。

村上ちひろ

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