災害時に考える仕事のスタンス 現場でのありがとう/助かった

災害時に考える仕事のスタンス 現場でのありがとう/助かった

前情報通りでしたが、台風ひどかったですね。。。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りすると共に、全ての被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

まだ被害の全容もつかめてないままでしょうし、救助活動なさってる各所の方々には頭があがりません。
くれぐれもの安全確保お気をつけくださいませ。
復旧作業も長期に及ぶでしょうし、その作業下でも危険を伴う場面多いと思います。
不安を煽りたい訳ではありませんが、命あってのものなので。

災害時に考える仕事のスタンス

業界的に少し言いにくい事、ちょっと書いてみます。

我々のような安全関係の職種というのは、災害時には必然的に需要が増えます。

実際、東日本大震災の時にはお客様から、『現地に関係者がいるから、超特急で救援物資送ってくれ!』とか『タオル、毛布、防寒着、とりあえず暖のとれるもの何でもいいからすぐ出せるやつ50着送ってくれ!』とか、特需といわれるものがありました。

思えば、東日本の時までは一般の方、そして業界としても防災意識はそこまで高くなかったんではないかと思います。

以降に防災グッズや保存食、保存水等の災害備蓄品、また手回し充電ラジオやソーラー充電バッテリー等のスマホ対応グッズなど、色んな会社が色んな商品を出して、言ってしまうと、災害ビジネスのようなものも出来たと思います。

官公庁の入札でも災害備蓄や防災関係の仕様書が出回るようになりましたし。

『災害があると儲かるんやろ?』

と言われる事も正直あります。

それをビジネスとして見て、商売をされてる企業さんもいらっしゃるでしょうね。
災害があると儲かる、それは事実です。

ただ、業界の人間として、各メーカーの方と接点の多い自分の肌感覚としては、
それなりの会社でそれなりに長く勤めてる人間は、そんな意識で仕事はしてないんじゃないかな。

勿論全員ではないでしょうね、でもその業界の仕事を生業としてやってる人間の大半は、シンプルに

『誰かの役に立ちたい』

という意識で仕事に向き合ってるんよな~、って事です。

あるメーカーの担当さんとの昔話ですが、とても優秀な方だったので、聞いてみたら、『中途で入ったんです』との事でした。
前の会社より給料良かったから?って聞いたら、『いや~ちょっと下がったんですよ(笑)』と。
あら?なんでまた?と聞いたら、
『前職は商売っ気が強くてあまりやりがいを感じれなくて、、今の仕事は誰かの役に立てる仕事を出来てる実感があるから。。転勤多いから家族には迷惑かけてるんですけどね(笑)』
と言ってました。

これが僕の肌感覚で感じた事、そして望む事でもあります。

防災需要が増えて、それにフィットした商品を出す、備えて安心。それはそれで1つの正義ですし、ビジネスモデルだと思います。

ただ実際は災害なんて起こらないのがやっぱり1番です。

何が言いたいかっていうと、出来るのであれば、、ですが

不安に付け込むような仕事はしたくないなぁ

という事ですね。
実際に弊社も先ほどの話の会社も、企業ですから、売り上げを上げるのが使命です。

売上に苦戦してた所で災害特需があって、数字助かった。。こんな話も聞くことはあります。

ただそれは結果論であって、災害を望んでる訳ではないんですよね。

ありがとう/助かった

事務所で数字だけ見てる人にはわからない感覚なんですが、現場でお客様と接する仕事してると色々感じるわけです。

作業服がドロドロに汚れてて、あっつい夏の炎天下で、溶接関係だから長袖着て顔と首だけ真っ黒に焼けて仕事してる。うわ~きつい仕事してるな~って思うわけです。
『空調服とか着たいんやけど、難燃作業服じゃないとあかんし、違う制服着たらあかんて言われてるから、我慢するしか無いんよな~』って言うんです。

それを偉い方の所に行って、こんな声あったんですけど、何か対策考えてますか?
って聞いたら
『いや困っててな、とりあえず空調服の導入あかんか?って安全に聞いてるんや、でも中々返事が返ってこーへんねん。でも会社既定の制服変えるんは本社の人間も嫌がるやろから、難しいかなとは思ってるんやけど、、このままやったら現場の子らが可哀そうでな。。』
との事。

著者『んじゃ、今の制服を空調服仕様に穴開けましょか?』

『え!そんなん出来るの??』

著者『1回やってみましょか』

ってなるわけです。

困ってる所にはニーズがあって、役に立てたらお仕事もらえる。

それでね、この時に一緒にもらえる言葉がね、

『ありがとう、助かったわ』

なんですね。

この言葉に喜びを感じてしまったらもうアコギな商売で儲けたろ、には行けないんですよね。

安全に携わる仕事ですので、余計に『助かったわ』をいただく場面も多い訳です。
お医者さんや看護士さん、介護の方等の医療従事者の方も多いみたいですね。

お客様から『こんなことで困ってるんやけど、何かないかなぁ?』とご相談頂いて作る、そんな実績を積み重ねて、信頼を得る。困ったときには相談しよう、と思ってもらえる。

僕はそんな仕事がしたいなぁと思ってます。

今回の台風でも、現場でしか見えないニーズがあると思います、中央では理解されないような問題かもしれません。限られたリソースで全体効率で救助活動したいと思う中央と、現場に行けばそこでしか見えない賭けるべき価値があったりもするでしょう。でもどちらも正義なんですよね。

願わくば柔軟に。多くの方の幸せを助けてあげれたらと思うばかりです。
救助活動されてる皆様、くれぐれもご安全に!頑張ってください。

本当は腕章作成のブログを書こうと思ってたんですが、台風被害が大きすぎて、触れないのも変やな、と思って少し思う所を書きました。

改めて、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りすると共に、全ての被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

村上ちひろ

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